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使ってみて

紙の契約書をやめたら、契約がその日のうちに終わるようになった

2026年9月9日(更新 2026年9月11日)·5·株式会社ケアン

私たちは岐阜で自動車を販売しています。遠方のお客様に車を買っていただくとき、 いちばん時間がかかっていたのは、値段の相談でも書類の準備でもなく、契約書の往復でした。

印刷した契約書を郵送して、お客様に押印していただいて、返送を待つ。 郵便の往復だけで日数がかかります。その間に、お客様の気持ちが変わったり、 別の車が見つかったりする。「決めます」と言っていただいた日と、 契約が成立する日のあいだに、いつも隙間がありました。

この隙間を無くしたくて、電子契約を自分たちで作りました。 いま、契約はお客様が「決めます」と言ってくださったその日のうちに終わります。 何を変えて、何を変えなかったか、書いておきます。

紙のとき

  • 契約書を印刷する
  • 封筒に入れて郵送する
  • お客様に押印していただく
  • 返送を待つ

電子にしたあと

  • 契約書をPDFに出力する
  • 宛先を入れて送信する
  • お客様が画面で読んで締結する
  • その日のうちに終わる
やることの数は変わっていない。変わったのは、そのあいだに郵便を待つかどうか

変えたのは「送り方」だけ

契約書の書式は、以前から使っていた注文書のままです。 いままで印刷していたものを、印刷する代わりにPDFに出力して、Csign に入れて送る。 送る側の操作はそれだけです。

  • 相手の名前とメールアドレスを入力する
  • 契約書のPDFを入れる(住所や氏名を書いてもらう欄があれば、四角で指定する)
  • 送信する

テンプレートに合わせて契約書を作り直す、ということをしていません。 自分たちの契約書には、自分たちの商売に必要な項目が入っています。 それを別の形に移し替えるところから始めるのは、負担が大きすぎると思いました。

お客様の側で起きること

お客様のメールアドレスに、契約書のご案内が届きます。リンクを開くと、 契約書の全ページがそのまま表示されます。スマートフォンで読めます。

住所や氏名の記入欄があれば、その場で入力していただきます。 内容に同意して「締結する」を押すと、完了です。 お客様の側に、アカウントの登録も、アプリの導入も、印鑑も要りません。 費用もかかりません。

SMS認証を設定した契約では、お客様が画面で入力した携帯電話番号にSMSで6桁のコードをお送りし、 画面に入力していただきます。誰が締結したかの記録を、メールアドレスだけでなく 電話番号でも残すためです。

変わったこと

1. 契約のタイミングを逃さなくなった

いちばん大きいのはこれです。電話で「決めます」と言っていただいたら、 その電話のあとにPDFを送り、お客様がその場で読んで押してくださる。 郵便を待つ数日が、ゼロになりました。

2. 来店も郵送も、要らなくなった

遠方のお客様に、契約のためだけに来ていただく必要がなくなりました。 こちらから郵送する封筒も、返信用の封筒も、切手も要りません。 小さなことのようですが、1件ごとに確実に発生していた手間です。

3. 記録が勝手に残るようになった

紙のときは、押印された契約書を保管するだけでした。 いまは、誰が・いつ・どの文書に同意したかが、締結のたびに記録されます。 送った日時、お客様が開いた日時、同意した日時、締結した日時。 契約書ファイルのハッシュ値(内容の指紋のようなもの)を登録時と締結時で照合し、 一致したことも記録に残ります。これらをまとめた締結証明書が、PDFで自動的に発行されます。

この記録は、通常の運用では運営している私たち自身も後から書き換えられない作りにしてあります。 「あとで直せる記録」は、記録として弱いからです。

変わらなかったこと

契約書の中身は、変わっていません。書式も、項目も、文言も、紙のときのままです。 お客様に読んでいただく手順も同じです。全ページを読んで、納得して、押す。 電子になったからといって、確認を省いていいわけではありません。

変わったのは「紙を運ぶ時間」だけで、「読んで考える時間」は変わっていない。 これが、私たちが電子契約に切り替えて感じていることです。

収入印紙のこと

電子契約には印紙税がかかりません(国税庁 質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」)。紙の契約書には、種類と金額によって収入印紙が要ります(国税庁 タックスアンサー No.7140)。請負契約書(印紙税法の第2号文書)なら、契約金額が1万円以上100万円以下で1通200円。 それを超えると金額に応じて上がり、300万円を超えて500万円以下なら2,000円です。

ただし、印紙の要らない契約書もあります。自動車の売買契約そのものは「物品の譲渡」で、 印紙の対象ではありません。「電子にすれば印紙が浮く」は、印紙が必要な契約書に限った話です。

自動車の販売では、ここに落とし穴があります。納車前の整備、コーティング、用品の取付といった「作業」を同じ契約書に書き込むと、 その契約書は請負の契約書として扱われ、印紙が要ります。しかも、作業の代金を車両代と分けて書いてあれば作業代だけで判定されますが、 「一式」でまとめて書いてあると車両代を含めた全額で判定されます。 300万円の車に整備を「一式」で乗せた契約書は、200円では済みません(国税庁 質疑応答事例「取付工事を行う機械の売買契約書」)。テレビのアンテナ取付のように、本体の売買に付随する簡単な取付は除きます。 電子契約なら、この書き分けを気にする必要がなくなります。

契約書とは別に、代金の領収書にも印紙が要ります。5万円以上の受取書は1通200円からです(国税庁 タックスアンサー No.7141)。こちらも電子で発行すれば不要です。

ご自身の契約書や領収書がどれにあたるかは、税務署か税理士にご確認ください。

つまずいたこと

海外にお住まいの方と契約したとき、SMS認証が使えませんでした。 日本の携帯電話番号にしかコードを送れない作りだったためです。 そのときは、いったんキャンセルして、SMS認証を付けずに送り直しました。 メールのリンクだけで締結していただき、記録にはその旨が残ります。

契約相手が海外にいることは、私たちの商売では多くありませんが、ゼロではありません。 送る前に「この方の携帯番号は日本のものか」を確かめる、という一手間を覚えました。

どんな契約に向くか

自動車の売買契約のほかに、業務委託契約、番組への出演契約、秘密保持契約にも使っています。 共通しているのは、相手が遠くにいて、契約書はもう手元にあるということです。 書式を作り直さずに、いまの契約書のPDFをそのまま送れる。 そこが、私たちにとっていちばん大事な点でした。

公正証書が必要な契約など、法令で方式が定められている一部を除き、 幅広い契約にお使いいただけます。どの契約に使えるかの詳しい説明は、法令への対応にまとめています。

Csign は、いま使っている契約書のPDFを送るだけで、その日のうちに契約を結べる電子契約サービスです。 月1,100円(税込)から。契約相手に登録も印鑑もアプリも要りません。